◆(横井利明君) それでは、通告に従いまして、順次質問を申し上げます。
まず初めに、地震等の災害で被災した家屋の再建のための住宅再建共済制度の創設についてお尋ねいたします。
阪神・淡路大震災、そして中越地震では、長期にわたり被災者がプレハブ住宅で生活を余儀なくされました。高齢社会の中にあって、住宅を自力で再建する余裕がない、また、既に住宅ローンがあるため、二重ローンを組まざるを得ないなどの理由がその原因と考えられますが、これらの問題から、被災者の生活基盤である住宅の再建が災害復興の最も重要な課題であることを私自身強く認識したものであります。
一方、住宅を自力で再建することが困難な人に対して、公費を補てんする、いわゆる公助を行うことも考えられますが、中央防災会議報告書において、私有財産である住宅の損失補てんを公費で行うことは、公平性の観点などから問題があるとされており、住宅再建における公助については極めて困難であります。まさに被災家屋の再建は、制度のはざまにあり、早急な対応が必要です。
そのような中、この9月から兵庫県において住宅再建共済制度が創設されました。私は兵庫県庁へお邪魔し、制度創設までの経緯、また、共済制度収支試算などについて詳しく調査を行いました。この制度は、自然災害で住宅が全半壊した世帯に再建資金を支給するものであり、制度の仕組みは、年間1戸当たり5,000円の共済金を負担すれば、災害で住宅が全半壊した場合、最高600万円の住宅再建費が支給されるというものです。国の居住安定支援制度の200万円と合わせれば、住宅再建の大きな呼び水となると考えられます。
本市においても、東海・東南海地震が近い将来発生することが懸念される中、災害復興の最も重要な柱である住宅再建につながる共済制度の創設が急務であると思います。住宅都市局長のお考えをお尋ねいたします。
次に、ネーミングライツについてお尋ねいたします。
平成15年2月市会において、ネーミングライツの導入は本市が所有する有形無形の財産の有効活用に資する可能性があると指摘をさせていただきました。さらに平成16年11月市会では、市長よりネーミングライツの導入によって収入の増加を図っていきたいという非常に前向きな答弁をいただきました。現在、市において導入に向けての検討をされていることと存じますが、その検討状況と公募開始の目標時期を財政局長にお尋ねいたします。
次に、地下鉄駅名板下広告及び駅名に係るネーミングライツについて交通局長にお尋ねいたします。
交通局は、平成18年4月から、地下鉄の駅名板下に広告スペースを設けることにより、駅に近接する企業や大学などの施設名称を掲出し、駅と企業等を関連づけた効果的なPRが可能な新しい広告メディアの販売をすることになりました。東京都、横浜市に続いて全国3例目という新しい試みであり、その試みには敬意を申し上げます。しかし、今回の交通局の提案で気になる点が数点あります。選考の基準は、本市交通局事業への理解、賛同の度合い及び提示金額等とし、総合評価で選考することを表明しながら、距離要件のみは絶対条件にしたことであります。
本来、自由な競争、市場の原理からいえば、できる限り要件緩和し、より多くの方々に参入機会を与えることが必要だと考えますが、結果として、一部の特定な企業にのみ参入機会を与えるような今回の要件設定は問題ないのでしょうか。まず、この点についてお尋ねいたします。
また、今回の交通局の募集では、他都市の事例とは異なる試みとして、駅名板下広告のほかに、これと一体となった他の広告媒体の提案もオプションとして募集し、それを選考基準に加えられています。これは、最寄り企業が駅空間を利用してデザイン、装飾できるものとして評価できますが、地下鉄駅の駅価値向上の視点から、さらに踏み込んで、広告に限らず利便施設の設置、企業の事業、イベントに連動した新しい駅装飾、演出、乗客誘致の仕組みなどを企業とタイアップして実施し、駅の快適性、利便性、エンターテインメント性やアミューズメント性の向上を図ることが有効であると考えます。こうした民間の資本や発想の導入により駅価値が高まるからこそ乗客がふえ、広告収入もより増加すると考えられます。こうした視点からの民間活力の導入はできないか、お尋ねいたします。
次に、東京メトロ銀座線では、今から73年前、駅名に係るネーミングライツを導入していた例がありました。大正15年、三越本店は、地下鉄が三越前に達したときは直接三越に出入りできるよう駅をつくってもらいたい。駅費用は三越が支弁するとの請願書を東京地下鉄道に提出しました。その後昭和6年、三越と東京地下鉄道は、駅名を三越前とする、広告スペースは無償提供とするという条件で契約を交わし、三越の全額負担で翌昭和7年、三越前駅がオープンしたのであります。地下鉄駅建設費用を企業に負担させるかわりに、三越前という駅名を譲渡したネーミングライツの一形態であります。交通局長の御感想をお聞かせください。
次に、民間建築確認検査業務についてお尋ねいたします。
姉歯建築設計事務所による耐震強度偽装問題は、建築行政全般に対する国民、市民の不安や不信を増大させました。その中でも、指定確認検査機関のあり方が今大きく問われています。
平成11年、建築基準法の改定により建築確認検査業務が民間開放されました。当時私は該当委員会委員長として、確認検査業務を民間に任せて大丈夫かとお尋ねをしたところ、納得できる回答はなかったと記憶しています。民間でできることは民間でという考え方は私も支持するものではありますが、そもそも建築確認審査や中間検査、完了検査などが民間にできることに当たるのかどうか、今冷静に検討する必要があります。
民間の指定確認検査機関は、企業である以上、1件でも多くの受注をこなす必要があります。したがって、施主や設計者の顔色を気にしたり、場合によっては、指摘を見過ごすことにより次の受注を目指すという制度の趣旨から逸脱した企業努力をすることも決してないとは言えません。検査をする人と検査を受ける人が、場合によっては同じ思惑で動いてしまう可能性のある現制度は極めて問題であり、適正に機能するように制度の仕組みを見直す必要があります。市長のお考えをお伺いいたします。
次に、長野県、群馬県、東京都台東区が姉歯建築設計事務所のデータ偽造を見逃していた疑いが指摘されています。確かに構造計算の確認などは、膨大な事務作業が必要であり、なかなか偽造を見抜くのは困難とも伺っておりますが、本市が今回の一連の事件から得た教訓も少なくないと思います。今日まで本市の確認業務に問題はなかったのか、また、改善すべき点があればお答えください。
最後に、本市に対しても、安いマンションを買ったが大丈夫かなどの問い合わせがあるとのことです。これら市民に対して、専用相談窓口を早急に開設する必要があると考えますが、お考えをお聞かせください。
これで、第1回目の質問を終わります。(拍手)
◎市長(松原武久君) 民間の建築確認業務につきまして、現制度に対する考えをお尋ねいただきました。
姉歯建築設計事務所の建築士が構造計算書を偽造したこと、また、それを指定確認検査機関や自治体までが確認できなかったことにつきまして、非常に遺憾に思っております。そしてこのことが、建築物の安全性に対する市民の不安、不信を増大させたのではないかと懸念をいたしております。建築物が設計され、完成に至るまでの仕組み、制度が決して万全でなく、今まさに問い直されているのではないか、そういう思いを持っております。
今回の問題を契機に、国も建築確認制度の運用だけでなくて、指定確認検査機関制度、あるいは確認検査制度、建築士制度などの検討を表明いたしております。本市といたしましても、国に現場の実情を踏まえた意見等を伝えるとともに、こうした動向を注視していきたいというふうに思っております。
次に、本市の確認業務の問題点、改善点についてお尋ねをいただいたわけでございます。
今回の構造計算書の偽造につきましては、絶対にあってはならないことであると認識をいたしておりますが、それを確認審査の段階で指定確認検査機関、自治体が的確な審査を行っていれば未然に防止できたのではないかというふうに私は思います。確認・検査は、現在本市においても民間によるものが多数を占めております。そうした指定確認検査機関の指導監督は、指定権限を持つ国または県にゆだねることになりますが、本市が行う確認についても、この問題を真摯に受けとめる必要があるというふうに考えております。
幸い本市におきましては、民間開放以前から長い経験と技術の蓄積がございます。今回問題となりました構造審査につきましても、構造審査係という専門の組織を持っておりまして、指定確認検査機関からの照合や相談にも応じているところでございます。しかしながら、今回の問題を契機に、審査手順、審査方法などを再確認し、一層的確な審査の徹底に努めるよう改めて指示をしたところでございます。
次に、専用相談窓口の設置についてでございます。
建築物に関するさまざまな問い合わせや苦情、相談につきましては、現在建築相談窓口において対応をさせていただいております。特に現在お住まいのマンションが大丈夫かなどの御相談に対しましては、別に本市が設置しております耐震相談窓口で相談をお受けいたしておるところでございます。今回の問題を契機としたお住まいのマンション等についての不安など、市民からの問い合わせに対しましては、現在設置しております建築相談窓口を引き続き御活用いただき、相談件数や内容に応じて適切な対応がとれるよう相談体制を充実させてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
◎住宅都市局長(一見昌幸君) 住宅再建共済制度の創設につきましてお尋ねをいただきました。
議員御指摘のとおり、住宅再建共済制度は、兵庫県におきましてことし9月からスタートしております。これは、住宅所有者が年間5,000円の共済負担金を支払い、任意に加入するものでございます。自然災害により半壊以上の被害を受けた加入者は、住宅を再建、購入した場合に最高600万円まで、補修した場合には50万円から200万円、さらに再建、購入、補修などを行わない場合には10万円の共済給付金を受け取ることができるという内容でございます。
本市が万一被災した場合には、市民の皆様の生活再建を最優先に、自助、共助、公助を適切に組み合わせて市域の復興に取り組まねばならないというふうに考えております。被災した住宅の再建支援につきましては、被災者生活再建支援法に基づいた公費負担による居住安定支援のほかに、議員から御指摘いただきました共済方式がございます。共済方式は、共助という観点から望ましい方法の一つであるというふうに考えておりますが、課題もございます。それはまず、東海・東南海地震のような広範囲の、しかも大規模災害を受けた場合に十分対応できるのかどうかという点でございます。次に、市民の理解を得て、共済制度を維持できるような加入者を長期的、安定的に確保できるのかといった問題がございます。これなどにつきまして、十分な検証、議論が必要であるというふうに考えております。また、自助という観点から、民間による地震保険の制度もございます。本市を含みます愛知県における加入率は、この地域における防災意識の高まりとともに年々上昇しているというふうに聞いております。
いずれにいたしましても、本市としましては、現在国に対する指定都市要望としまして、住宅再建支援等の拡大を求めているところでございます。共済制度につきましても、兵庫県など他の自治体の動向を見きわめながら総合的に研究してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしく御理解賜りたいと存じます。
以上でございます。
◎財政局長(林昭生君) ネーミングライツの導入に向けた検討状況についてお答えをいたします。
行政財産にネーミングライツを導入することにつきましては、従前総務省の見解では、できないということでございましたが、昨年の11月に改めて確認をいたしましたところ、可能であるとの見解が出されました。これを受けまして、議員御指摘のとおり、本市におきましても、ネーミングライツの導入に向けまして検討を進めてまいりました。
ネーミングライツを導入するための指針といたしまして、庁舎などを除いた市民利用施設を対象とすること、公募の条件、選定方法などを定めたガイドラインを策定したところでございまして、現在、このガイドラインに沿いまして市民利用施設での導入の可能性を探るために、施設の特性による適否、あるいは企業ニーズなどの調査を行っているところでございます。
今後はこの調査結果を参考にいたしまして、施設所管局を初め関係各局との調整を行うとともに、市議会初め市民の皆様の御理解を得た上で、具体的な導入施設を決めて、その後施設ごとの適切な募集要件を決定いたしまして、来年度中の募集を目標として取り組んでまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。
◎交通局長(吉井信雄君) 地下鉄駅名板下広告及びネーミングライツにつきまして、交通局に対して3点のお尋ねをいただきました。
まず、地下鉄駅名板下広告募集の要件設定についてでございます。
今回の駅名板下広告の募集に当たりまして、距離要件を絶対条件としたことで、要件設定に問題があるのではないかといった御指摘でございます。駅名板下広告は、「◯◯前」と最寄りの企業名または通称名を表示するものでありまして、「◯◯前」という以上は駅に近接している必要があります。一定の距離要件をそうした意味から設定をしているところでございます。距離の設定につきましては、都心部では著名な企業等が多く立地することから、駅間距離を考慮しまして、最寄り駅が重複することを避け、一定の応募が確保できるようにおおむね200メートル以内とし、企業が都心部に比べ多くない郊外部におきましては、おおむね400メートル以内としたところでございます。
しかしながら、御指摘のように、この距離要件から漏れてくる意欲のある企業もあろうかと思われます。何分今回は初めての募集でもありまして、今後の募集につきましては、今回の募集の状況、企業等からの反響、あるいは意見等を十分に見きわめつつ、どのような要件を設定すれば、より多くの意欲のある企業の参入を促し、当局の増収につなげることができるかについて検討をしてまいりたいと考えております。
次に、民間の資本や発想によります駅価値向上のための積極的な民間活力の導入についてのお尋ねでございます。
当局としても、交通事業経営検討委員会の提言の中で、地下鉄駅やバスターミナルは多くの市民、利用者が日々行き交う場であり、利用者の利便性向上及び収益性の拡大の視点からはまだまだ活用できる可能性があることから、民間活力を導入しながら、さらに積極的に広告料収入、附帯事業収入の拡大を図ることが必要であるとの御指摘をいただいておりまして、駅空間の活用というのは、当局が今後取り組むべき重要な課題であると認識をしております。議員御指摘のように、駅の空間としての価値の向上の観点からも、企業とタイアップしたさまざまな駅空間の活用によりまして、快適性、利便性、あるいはエンターテインメント性などの向上を図り、効果的な乗客誘致策を展開することは大変意義があると考えております。しかしながら、一方、地下鉄駅の多くが道路下に鉄道事業目的で設置されていることから、道路占用や、あるいは地下の火災対策などさまざまなクリアすべき課題がありますので、今後どのような方策が実現可能かにつきまして、さまざまな角度から検討をしてまいりたいと考えております。
最後に、東京メトロにおける事例についての感想でございます。
御指摘の東京メトロの事例は、新たに駅を建設する段階におきまして、建設費の負担などを条件に、駅名に企業の名称を付すほか、駅構内の一部の使用を認めたものであります。当局におきましては、駅施設が行政財産であることから、駅構内の一部の使用を長期に認めることは、私権の設定に当たるおそれもあり、困難であると思われますが、一方、新駅を建設する段階におきまして、企業から建設費の負担などの申し出があった場合に、その駅名に企業の名称を付すことにつきましては、駅名としてのふさわしさ、当該企業の貢献の程度、地域住民の意向等を総合的に勘案して検討をしてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
以上です。
◆(横井利明君) ただいま財政局長より、ネーミングライツの導入のためのガイドラインを作成した、来年度中の募集を目標としているという答弁をいただきました。前向きな取り組みには心から敬意を申し上げます。
さて、ネーミングライツを導入すると一体何が起こるのかということを、私が勝手にフィクションをつくって考えてみました。例えば、地下鉄矢場町駅の名称、これを松坂屋に売却した場合という設定でやりまして、私と松坂屋は何の御縁もありませんから、御了解だけいただきたいと思います。
地下鉄乗客Aさんは、「次は松坂屋、松坂屋」の地下鉄車内アナウンスとともに松坂屋駅へおりると、そこは大理石に包まれたおしゃれな空間、天井には吹き抜けがつくられ、上部には松坂屋店内が広がり、あたかも松坂屋の一部のよう。ホーム壁面には松坂屋の中で売られている新作のヴィトンやエルメスのバッグのディスプレー、そしてシャネルの女性服を飾ったウインドー。Aさんは松坂屋で買い物をする際、地下鉄乗車を証明するICカードを店員に出すと商品は5%引きに。なお、松坂屋では地下鉄ホームでの商品引き渡しサービスを実施。Aさんは地下鉄ホームで松坂屋で買った商品を受け取り、地下鉄に乗って家路へ。松坂屋はこれら広告費の見返りとして、10年20億円の契約を名古屋市交通局との間で締結すると同時に、駅空間の改装費を負担。さらに松坂屋では、交通事業への貢献となる地下鉄乗車誘致イベントを連日実施。
例えばこんなフィクションが成り立つと思いますが、しかし、交通局次第では決してこれは夢ではない。そんなふうに思います。ネーミングライツの導入は、駅の快適性、利便性、エンターテインメント性やアミューズメント性の向上、さらにネーミングライツ導入による多大の広告費収入をもたらします。逆に言えば、交通局がネーミングライツを導入しなければ、市民に対して多大なる損害を与えることになると私は思っています。
質問したかったんですが、意見だけで終わりますけれども、ぜひ交通局においては、今後積極的に駅名等を含めたネーミングライツの導入に向けて検討していただくよう要望して終わります。ありがとうございました 。 |