平成20年9月定例会 9月18日ー17号
【質問内容】
市税の収入見込みについて。河川水位を監視する映像の提供について。
地上デジタル放送を活用した水防情報の配信について。高齢者の運転免許証自主返納について。
-
◆(横井利明君) それでは、通告の順に従い、順次質問いたします。
まず初めに、本市の市税収入見込みについてお尋ねいたします。
ここ1年間で急激に景気が悪くなったと感じているのは私だけでしょうか。バブル崩壊以降の長い不況の中のトンネルで、不況にはある程度なれた私たちでも、サブプライム問題を背景にした、アメリカの景況感悪化ははかり知れないものがあります。金融庁は、日本国内だけでもサブプライム関連による損失は10兆円との試算を発表していますが、これによる貸し渋りを初めとした金融の目詰まりは、中小企業経営に大きな影を落としています。また、原油を初めとした燃料費、原材料費の高騰は、ボディーブローのように企業業績の悪化を引き起こしています。さらに、アメリカ証券大手リーマン・ブラザーズの大型経営破綻は、世界的な金融危機の引き金になる可能性もあります。
ここ数カ月、私のところにも中小企業の経営者の方々が資金繰りの相談にお見えになります。その多くは金融機関の貸し渋りによるものですが、その背景は、燃料、仕入れコストの上昇、親会社の設備投資の無期限延期による発注の取り消し、食品製造にかかる安心・安全コストの増大、倒産企業からの焦げつきなどさまざまです。業種としては、土木、建築などの構造的不況業種のほか、部品製造、設備、食品製造、小売などがとりわけ厳しいように感じます。統計的にも、不動産関連企業の大型倒産を初め、倒産企業数は月ベースで1,000件に達し、景気の減速が顕著になってきたのは明らかです。
そこで、松原市長にお尋ねをいたします。元気な名古屋にも陰りが見えてきたと指摘される昨今、市内中小企業には経済の先が見えない底なし状態に対する不安が広がっています。そして、本市においても、この急激な経済変化により、市の根幹である市税収入に多大なる影響が出ると懸念されるところですが、今年度及び来年度の市税収入見込みについて、当初予算や昨年度時点での見込みと比較してお答えください。また、今年度の市税収入が減収の場合には、その対応についてもお聞かせください。
次に、防災に対する自助力向上のための河川カメラ映像などの防災情報のインターネット・地上デジタル放送配信についてお尋ねいたします。
阪神・淡路大震災発生時において、被災者救助における自助、共助、公助の割合を数字で示したものがあります。これによると、自分や家族を救助した自助は66.8%、友人、隣人などの共助が30.7%、救助隊による公助はたった1.7%でした。まさに地震などの大規模な災害時においては、いかに自助が重要か、いかに隣近所の共助が頼りになるかをよくあらわしている数字だと思います。
さて、豪雨など水害時においても自助の役割は重大です。確かにハード面では公の役割によるところが大きいと思いますが、ソフト面の対策では自助の力量をいかに高い水準に引き上げるかが大きな課題であると思います。
そこで、平成20年8月末豪雨を例に挙げ、質問を進めてまいります。
さきの豪雨では、市内中西部を中心に甚大な水害被害を引き起こしました。被災された方々には心からお見舞いを申し上げます。一方、東海豪雨後の緊急雨水整備事業がかなり効果を発揮し、被害を最小限に食いとどめることができたのも事実であり、地道な対策を進めてこられた関係当局の方々にも心からお礼を申し上げます。
さて、8月末豪雨のさなか、市内各地に避難勧告が発令されました。多くの方々は伊勢湾台風時の堤防の決壊を思い起こし、危険を承知で豪雨の中を川の水位を見に行く方もあったというふうに伺っております。豪雨は内水はんらん、台風は外水はんらんと考えていた市民にとっては、なぜ台風でもないのに避難勧告が出されたのか、困惑が感じられました。
災害時において自助力を高める重要な要素に、リアルタイムでの客観的な情報の収集が挙げられます。河川の水位が現在どうなっているのか、今後、雨の状況はどうなっていくのか、ポンプの稼働状況は一体どうなっているのかなどであります。これら情報を市民が共有することができれば、避難勧告が出される前に事前に避難準備を進めることができます。また、近隣住民との共助の準備を進めることも可能となります。
そこで、緑政土木局長にお尋ねいたします。
現在、名古屋市には、河川水位情報と各区の降雨情報等を担当する水防防災情報システム、NICOSが構築され、一部をインターネットで配信しています。このシステムに、市が所有している河川監視カメラの映像並びに市内河川のうち監視の必要のある箇所に監視カメラをさらに増設し、市民に一元的に提供することにより、視覚的に防災情報の共有が可能になり、市民の自助力が高まると考えますが、いかがでしょうか。また、市の防災情報は名古屋市ホームページのトップページからリンクさせる必要があり、また、国や県が所有している河川監視カメラの映像も一元的に管理すべきと考えます
次に、消防長にお尋ねいたします。
既に放送が開始されている地上デジタル放送は、アナログ放送に比べ3倍のデータを送信できると伺っております。また、テレビはインターネットに比べだれでも手軽に利用できることから、情報バリアフリーにも適合しております。例えば、豪雨などの災害時、リビングにあるテレビのデータボタンを押す、次に災害チャンネルを選択する、川の災害情報を選択、市内すべての河川名が表示され、最寄りの河川の現在水位がグラフで表示される。避難勧告が出てから慌てるのではなく、その以前から川の水位の情報を的確につかむことにより、お茶の間にいながら防災対策をそれぞれの市民ができることになります。さらに、自宅付近の河川監視カメラを選択すれば、お茶の間にいながら家のそばの河川の様子がリアルタイムに見ることが可能になります。
災害情報をリアルタイムに、正確に、客観的に収集し、みずからの経験を加味して分析する、これが私の求める自助力の高い市民像の一つの形です。既に河川監視カメラ、河川の水位計、各区の雨量計などの測定・映像機器は十分にこの名古屋で整備されています。あとはサーバーだけ購入すれば、以上の情報の市民提供はあすからでも可能になりますし、現に関東地方では、民間テレビ局を活用した災害時における河川情報の配信は始まっているのであります。
テレビのデジタル放送の特性を利用し、河川水位情報、各区の降雨状況などの水防情報をテレビ各局に提供するお考えはないのかお尋ねいたします。
最後に、高齢者の運転免許証自主返納の側面的支援策についてお尋ねいたします。
平成20年8月末現在の愛知県内の交通事故死者数は156人となっており、対前年比で10%と大幅に減ってはいるものの、依然、全国ワーストワンという汚名を晴らせないでいます。その中でも高齢者加害事故については、全年齢交通事故死者数が減っているにもかかわらず、対前年増加を示していること、そして高齢者による加害事故は10年間で2倍に膨れ上がっているというのが実情であり、交通事故抑止に向けて高齢者対策は急務となっています。
その対策として、平成10年、警察庁において運転免許証の自主返納を側面的に支援する制度を導入しました。高齢などの理由で身体機能が低下した人や運転免許が不要になった人が自主的に運転免許証を返納した場合、運転免許試験場、免許更新センターとなっている各警察署へ写真と手数料1,000円を持っていけば、運転経歴証明書の交付を受けることができるようになりました。これにより運転免許証にかわる証明書としての機能を持たせましたが、運転経歴証明書は更新や記載事項の変更ができないことから、原則、作成から6カ月を超えると金融機関等において身分証明書としては取り扱われないため、自主返納の決定打にはなり得ませんでした。結果として、65歳以上の運転免許保有者に占める返納比率は0.21%にとどまっています。
そのような中、全国で運転免許証の返納を支援する動きが顕著になってまいりました。例えば東京都では、東京都内のホテルや遊園地、百貨店など37の企業、団体が協議会をつくり、運転免許を返納した高齢者らを対象に、利用料や商品の割引を行うサービスを4月1日から始めました。その結果、東京都における高齢者の運転免許返納は7月末で対前年比5.8倍の3,103人に達し、その効果の大きさは明らかになっているのであります。
また、豊橋市は、70歳以上の高齢者が運転免許を自主返納すると住民基本台帳のカードが無料でつくれるサービスを開始し、運転免許がなくても身分証明として利用できるようにしたところ、開始後10日間で昨年1年間実績の2倍の返上がありました。心配する家族が高齢ドライバーに自主返納を説得するきっかけになったという声もあったそうであります。
また、秋田県は、免許を返納した65歳以上の高齢者のタクシー料金を1割引きにする制度を導入した結果、高齢者の運転免許返納数が昨年の11月から急激にふえているそうであります。
高齢者の交通事故対策は運転免許証の返納だけで解決できるものではなく、総合的な対策が必要であることは理解しています。しかし、交通事故の加害、被害を合わせた交通事故における高齢者の割合が、例えば私の住む南署管内ですと3分の2にも達していることを考えるとき、高齢者の交通事故に対する意識改革を求めるきっかけが私は必要だと考えます。
そこで、市民経済局長にお尋ねいたします。本市においても年々増加する高齢者の交通事故対策は急務であり、運転免許証の返納に向けた支援策は高齢者の交通事故に対する意識改革のきっかけとして有効と考えます。例えば、運転免許証を返納した高齢者には、運転免許証にかわる身分証明書となり得る住民基本台帳カードの無料交付も一案と考えますが、お考えをお聞かせください。
以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)
◎市長(松原武久君) 市税の収入見込みについてお尋ねをいただきました。
平成20年度の当初予算におきましては、景気の先行きに不透明感があるものの緩やかな回復が続いていることから、平成19年度当初予算額と比較いたしまして2.4%、5289億円を見込んだところでございます。しかし、当初予算の見込み以後、米国景気の減速や円高による輸出の減少、さらには原材料、燃料などの価格高騰が企業収益に悪影響を与えておりまして、これに伴いまして、景気の影響を受けやすい法人市民税が当初予算を下回るものと考えております。平成20年度の市税収入につきましては、まだ年度の半ばでございまして、今後の法人の申告状況などもございますが、現時点では市税全体で80億円程度の減収になるのではないかと見込んでいるところでございます。
平成21年度の市税収入につきましては、今後の景気動向や法人の申告状況などを注視し、さらに精査して見込んでまいりますが、本年9月にお示しをいたしました今後の財政見通しの中では、固定資産税におきまして3年に1度の評価がえなどにより増収が見込まれますものの、法人市民税におきまして引き続き減収が見込まれますことから、平成20年度予算を20億円程度下回る5269億円と見込んだところでございます。また、昨年9月にお示しをいたしました今後の財政見通しの中で見込んでおりました平成21年度市税収入5349億円と比較いたしますと、80億円下回る結果となっております。
これらの減収への対応でございますが、平成20年度の市税の減収につきましては、まずは11月以降の下半期配当を一部留保するとともに、予算の効率的な執行に努めることで対応してまいります。これに加えまして、地方税の減収を補てんするための地方債であります減収補てん債につきまして、市債現在高を増加させない範囲内での発行を検討してまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
◎緑政土木局長(村上芳樹君) 平成20年8月末豪雨に関連して、河川水位を監視する映像の提供につきましてお尋ねをいただきました。
まずは、このたび豪雨により被害に遭われました方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。
当局におきましては、迅速かつ適切な防災・復旧活動を支援することを目的として、道路、河川等の映像をリアルタイムに収集する道路河川等監視情報システムを平成16年から運用しております。現在、道路のアンダーパスや河川、水路の合流部など、市内61カ所に監視カメラを設置し、災害時の対応に、この映像を市役所内のネットワークを介して各部署へ提供しているところでございます。
豪雨時におきまして、市民の皆様が避難される場合は、災害対策本部が出す避難勧告に従って避難していただくことが基本でございます。その際、議員御指摘のように、河川に国や県が既に設置し、その映像をインターネットにより公開しております5カ所の監視カメラに、本市が河川に設置している27カ所を新たに加えた32カ所の映像をインターネットで提供することにより、市民の皆様が避難するときの情報として活用できるものと考えております。したがいまして、今後は市民の皆様にもインターネットの状況を提供できるよう検討してまいりたいと考えておりますので、御理解賜りたいと存じます。
以上でございます。
◎消防長(小西富夫君) 地上デジタル放送を活用した水防情報の配信についてお尋ねをいただきました。
本市で保有しております市内の降雨量や河川水位の状況などの水防情報につきましては、市のホームページにおいて常に公開をしております。また、避難勧告などの災害緊急情報につきましても、その都度公開をしております。災害時の緊急情報はもとより、本市が保有いたします防災関連情報を市民の皆様に対して広く提供していくことは防災対策上有効でございますが、議員から御指摘をいただきましたようなきめの細かい情報につきましては、この伝達手段に苦慮しているところでございます。
今後におきましては、今回の豪雨の教訓に加え、最新の情報通信技術の有効活用といった面から、災害時における情報伝達手段につきまして総合的な調査を行ってまいります。なお、検討に当たりましては、地上デジタル放送の活用も含め、水防情報などを市民の皆様に広く提供できるよう各放送局様とも調整を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
◎市民経済局長(長谷川博樹君) 高齢者の運転免許証自主返納についてお尋ねをいただきました。
高齢者の交通事故防止は喫緊の課題でございまして、交通安全対策の中でも特に重点的に取り組む事柄であると認識をしているところでございます。本市におきましても、高齢者の歩行中の事故件数が多いことから、高齢者への交通安全レターの配布や、地域の中で高齢者の方に交通安全の呼びかけを行っていただくひと声運動など、高齢者の方が交通事故に遭わないための対策に取り組んでまいりました。
しかし、議員御指摘のとおり、高齢運転者による事故も増加してきております。平成19年の市内の65歳以上の自動車運転免許保有者数は約17万6000人で、この10年間で約2倍になってございます。また、本市におきまして平成19年中に高齢運転者が第一当事者となった交通事故件数は1,723件で、市内の交通事故件数の約1割に当たることから、高齢運転者による交通事故の防止対策も重要な課題であると考えているところでございます。
今後の取り組みでございますが、高齢者の方が自主的に運転免許証を返納されることは、高齢運転者による交通事故を未然に防止する上でも有効なことと考えております。議員御提案の運転免許証を返納される高齢者に対し身分証明書として活用できる住民基本台帳カードを無料で交付することは、運転免許証の返納を容易にすると考えられますので、来年度に向けまして、対象年齢や実施方法など具体的に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆(横井利明君) 市税収入見込みについて、今、松原市長からも答弁がありました。今年度、予算を組んだけれども80億円お金が足りないと、簡単に言えばこういうことだと思います。それに対して、一部上半期で配当を留保すると。大変な事態だというふうに私は認識しておりますし、また、補てん債を発行するということで、市債も発行せざるを得ないという状況に承りました。
しかし、この80億円の中には、今回のリーマン・ブラザーズの件、そしてAIGの件、いわゆるアメリカ発の金融不安の件は余り加味されていないというふうに私は思っていますから、さらに広がる可能性もあります。
市長に今お願いしたいのは、名古屋市もいろんな施策を進めておりますけれども、まさに今、施策のプライオリティーを本当に勇断する時期に来たのかなというふうに感じますので、ぜひそういった点について早急に検討を進めていただくよう要望して終わります。ありがとうございました。(拍手)